第1813話 ■読書会

 ある人の誘いで、その人が主催する読書会なるものに参加するようになって、1年半以上が経つ。回数にして約30回。自分よりも年齢が一周り以上若い人々の中に混じって、最多出場を記録している。この会に参加する目的は、自分が読んだ本をプレゼンすることと、逆の立場で、他の発表者からのプレゼンを聞くことである。自分が読む本となると著者や分野などにおいて限られてしまうことが多いため、このように他人がどのような本を読んで、どのような考えを持ったのかを知ることは非常に有益である。他者の発表している本を、その場でネット通販から購入することもしばしばある。

 私はこの会には必ずレジュメを書いて持参することにしている。もちろん他の参加者に配る。発表用に自分のノートなどに考えをまとめてきている人は他にもいるが、他人に配るためのレジュメの体裁で用意しているのは残念ながら、私しかいない。何故このような面倒なことを独り続けているかというと、これは一見参加者のためのようではあるが、実際は自分のための作業である。本の要点や感想を発表用にまとめ、せっかくなので、その用紙を参加者に配ってしまおういうものだ。

 私の場合、それほど多いわけではないが、それなりの数の本を読む習慣がある。同じカテゴリーの似た感じの本を続けて読むようなことも多い。やがて、それから時間が経ってくると、「あれが書かれていたのはどの本だったか?」、「この本読んだはずだけど、何が書かれていたか、忘れてしまった」、などということが頻繁に起きてくる。極端は話、読んでも中味を忘れてしまえば、読んでいないのも同然。結果として、読んだ時間が無駄になってしまう、というわけだ。本当に読み捨てる本なら良いが、普通は時間を掛けて読んだ大切な本だ。

 読書術の本には、「記録を取るのももったいない。その時間で次の本を読め」、というのもあるが、私にはどうも馴染まない。本当はもっと効率よく、出来ればその本を読まなくても、その本に何が書いているのかが分かるようになれば良いのだが、なかなかそこまでは上手くいかないようだ。

(秀)