第314話 ■ぼくのなつやすみ

 暑中お見舞い申し上げます。

 本当ならば、今時分は会社を休んで一足早く、夏休みを迎えていたはずであった。ここ数年、子供達の夏休みにあわせて、海の日から一週間は夏休み第一弾を取ることにしている(第二弾は八月の旧盆あたりにまた一週間)。この時期に同様の理由で休みを取る人(第二弾がある人は少ないだろうが)は結構多いようだ。京葉線で舞浜駅(ディズニーランドの最寄り駅)を通り過ぎる度に満杯の駐車場がそのことを裏付けているようだ。ところが、である。詳しくは省略しよう。とうとう第一弾の休みは取れず、帰りの電車の中でいつものようにコラムを書き続けている。

 まあ、夏休みと言っても特にやることなど決まっているわけではない。ラジオ体操とプールに昼寝。きっと健康な毎日を過ごしていることだろう。子供の頃は一日のタイムスケジュールを作らされたりしたが、そのようにいった例がない。毎年、怠惰な日々を送って、残り僅かの日数で宿題を片付けることの繰り返しであった。それでもやはり夏休みが楽しいものであったことには変わりはない。そんな自分も「ぼく」となって、あのときの夏を疑似体験してみることにした。

 「ぼくのなつやすみ」とはプレステのゲームのことである。ロールプレイングのように何かの目的があってゴールを目指すわけでもなければ、得点を競うものでもない。ただ単に夏休みを色々と有意義に過ごせば良いし、夏休みの終わりとともにゲームも終了する(はず)。設定はこうである。ときは25年前、主人公の「ぼく(これがゲーム中の名前)」は小学三年生。ぼくのお母さんが臨月を迎えたので、田舎に住む、おじさん(正確には、お父さんの妹の嫁ぎ先)の家に一ヶ月間預けられることになった。25年前の3年生と言えば、私と同じ年である。きっと、私ぐらいの年代の人々が買い求めていることだろう。私ももちろん買った。本当はそれほどのゲーム好きではないのに。

 ゲームの発売を記念して、このソフトの作文コンテストを実施しているようだ。力試しにひとつ挑戦してみるか?。さて、ゲームの進行状況であるが、ほとんどまだやっていない。ゲームの中のカレンダーで2日経過したに過ぎない。何故なら、夏休みにやろうと思って買っていたが、冒頭の通り、休みがなくなってしまったからだ。本当なら、「ぼくもなつやすみ」だったのに。