第450話 ■市場開発部

 「市場開発部」。そんな名前の部署が皆さんの会社にはあるだろうか?。この他にも名前のイメージと実際にやっていることが違い、言葉だけでは分かりにくい部署というのがあったりする。「販売促進部」という名前で商品の販促材の管理をやっているところがあったり、銀行の不良債権回収の部署の名前が「アセット管理企画部」だったりする。「調査部」なんてのも、確かに何かを調べているのだろうが、どれほど重要な仕事なのか良く分からない。中には上層部の都合のために経済的効果のない余計な仕事を作り出している部署もあるにちがいない。

 「市場開発」とは、一見、先端での業務拡大をミッションとした花形部署のようだが、必ずしもそうとは限らない。いや、そうでないケースが多いかもしれない。要は市場を新しく開拓するところである。先端というのは言葉を換えれば辺境である。市場に対して初めての商品の場合もあれば、自社としてその市場に初めて商品を投下する、すなわち、後発メーカー(販社)としての市場開拓の場合もある。非常に泥臭い作業だ。ついでに「プロジェクト」と言えば聞えが良いが、実際は人事や組織が曖昧で、いつでも撤退できる中途半端なチームだったりする。

 私も会社員として幾つかの部署(そんな変な部署ではない)を渡り歩いて来たが、カタカナまじりのところばっかりで、(同窓会などで)他業種の人に名刺を渡す度にその説明に手間取った。親父などの年配者に説明するとなるとこれまた難しい。あっ、忘れていた。断っておくが、同じ名前の部署があなたの会社にあるからと言って、本稿での話が必ず当てはまるものではないからね。

(秀)