第457話 ■おいしいうどんの作り方

 大学の一部では今時分がちょうど後期試験の真っ最中かもしれない。既に上期で卒業に必要な単位が揃っていれば良いのだろうが、就職も決まって、この試験に卒業が掛かっている人には相当なプレッシャーであろう。試験が始まる前に教官が注意事項を読み上げ、最後に「毎年あるんですが、『就職が決まったので単位下さい』などと書いて来る人がいますが、私はそんなものは無視します。逆に単位をあげません」と付け加えた。

 さて、ここで「おいしいうどんの作り方」の話である。別に私がここでその作り方を書き並べようというのではない。いざ、試験用紙が配布され、出題された問題がヤマが外れ回答ができない場合の対応である。これは聞いた話で真偽のほどは分からないが、「試験問題に回答できませんので、『おいしいうどんの作り方』を書きます」と、答案用紙に書いた人がいたらしい。

 この人の採点の結果は「不可」。問題への回答となっていないからではなく、その方法で教官がうどんを作ってみたが、おいしくなかったかららしい。コラムもネタが無くなった時には「おもしろいコラムの書き方」なるテーマで書いてみようかと思ったりするが、それで、読んだ人がおもしろく書けなかった場合の事を考え、自重している。

(秀)