第598話 ■聞き間違い、勘違い

 某シンガポール紙が伝えたところによると、シンガポールのチャンギ国際空港で今月15日、自分は「ギタリスト」と話していたインド人が「テロリスト」と聞き間違えられ、連れのインド人とともに身柄を拘束される騒動が起きた。

 空港ラウンジで、1人のインド人が米国人と会話していたとき、自分のことを「ベース・ギタリスト」と言ったのを、米国人が「ボスニアン・テロリスト(ボスニアのテロリスト)」と聞き間違え、空港の警備員に通報。その後、シンガポール航空の香港行きの便に乗り込もうとしていた、このインド人と連れの二人はすぐに身柄を拘束された。結局、勘違いだったことが判明し、二人は無事釈放され、香港への旅路に就いたそうだ。

 「ギタリストとテロリストではあまりも苦しい(違い過ぎる)だろう」とか、「自分からわざわざテロリストと名乗る奴はいないだろう」と離れたとりあえず平和なところにいるからこそ、笑い話として接していられるが、現場での緊迫感は相当なものだったろう。

 ギタリストではなく、「チェロリスト」だったら、「テロリスト」と間違えられるかも、と思ったりしたが、あいにく(?)チェロ奏者は「チェリスト(Cellist)」だった。これは私の勘違い。コラムニストは大丈夫だと思う。もちろん自分から、そう名乗ることはないけど。

(秀)