第1031話 ■夜型への移行

 平日、夜の11時頃になるとそわそわしてくる。12時までの締め切りを前に残り一時間となっていろいろと思い悩む。「今日は何の話を書こうか?」。湯船につかりながらあれこれ思案してみる。既に書くことが決まっていて、構成や展開、ついでにオチまで決まっている場合は一気呵成に書き上げれば良いが、そうもいかない日が最近は多い。

 以前、11時というのは随分遅い時間だと思っていたが、最近は11時くらいでは「遅い」という気にはならない。11時に寝ると、「早く寝た」という気にさえなる。気分的には昔に比べて一時間は夜型の生活になったような気がする。昔とはいつ頃か?。とりあえず、学生の頃。一般的に、田舎に比べると、都会の方が夜は遅い。娯楽が少ないので自宅への滞在時間も田舎の方が長いだろう。早く家に帰り着いてるはず。

 11時と言えば「11PM」だった。それが15分遅れで始まるようになった時点で、世間が15分夜型に移行したと思う。そして更にニュースショーの登場でますます世間が夜型に移行したと思う。「ニュースセンター9時」を自宅で見ることのできない層の需要が「ニュースステーション」へと流れ、それ以上に帰宅の遅い人のために11時台のニュースへと続く。今はもっと遅く始まるようになっている。

 世間が大きく夜型に移行したきっかけはやはりバブル経済だったと思う。膨らんだバブルはすっかり消え去り、かつてない不況期が続いているがテレビプログラムに引っ張られ我々は夜型の生活を続けている。パソコンやインターネットも夜型生活に拍車を掛けていることだろう。「サマータイム」の導入など以前に比べるとますます難しくなっている。

 蛇足だが、金曜8時だから金八先生であったが、数年前のシリーズから木曜9時からの放送になっている。夜8時ではターゲットである中学生がまだ帰宅していない、ということなのだろうか?。

(秀)