第1157話 ■中高生俳優

 かつて、平凡や明星という雑誌に子役募集の広告が載っていた。そのページにはその事務所に所属し、芸能活動をしている役者の写真と何に出ているかが紹介されている。ときは折りしも金八シリーズ華やかりしとき。学生服を着た写真の下に「金八先生 ○○役」と書かれている。しかしそれはあまり目立たない役の生徒でしかない。

 しかし、オーディション料も立派な収入源であろう、小さな(想像だが)芸能事務所では番組にプッシュできる配役もそんなものだろうし、集まってくる人々もそれなりの感じに思える。この業界にも階層がきちんと存在していて、うまく棲み分けができているようだ。だから田舎に住む坊主頭の少年にも「もしや自分でも」という考えが起きてしまう。予断だが、この坊主頭の少年というのは私ではなく、私のとある友人である。

 さて、最近の、特に今クールのドラマについて中高生俳優の需要が大きい。「ウォーター・ボーイズ2」、「世界の中心で愛を叫ぶ」、「南くんの恋人」。加えて、ちょっとおまけで映画「69」。学校のシーンとなるとエキストラと言えども大量に必要となる。一方、ストーリーに絡んでくる生徒となるとほぼ人材が限られていて、かつて別の番組で見た顔ぶれだったりする。対象となる年齢層が狭く、需要に対して供給が不足しているような気がする。

 また、最近の特徴としてはその学校が片田舎に存在する傾向にある。生徒全体が集うようなシーンのロケはエキストラが集まる週末などに集中的に行われているのだろう。しかし、田舎住まいの少年達にリアリティを感じさせてしまうと誤解を生むことにもなりかねない。かつて田舎に住む少年が、応募はしたものの、なしのつぶてだったのは言うまでもない。

(秀)