第1321話 ■HDDコンポ

 私がiPodではなく、ウォークマンの方を支持する主たる理由はラジオ放送を録音して聴きたいという理由による。メモリータイプのウォークマンと連動するコンポが存在し、それで録音したラジオ放送をウォークマンに転送して通勤時に楽しんでいる。iPodはこのコンポが存在しないので私の目的には適していない。

 このコンポというのはHDD付である、ラジオもCDもMDもHDDに録音することができる。しかもネットワークに接続されている。まさにデジタル家電だ。ネットワーク接続されているということはCDのタイトルや曲のタイトルが自動的に表示され、記録される。HDDにはガンガン音楽が溜め込める。聞きたいときにディスクを探す必要がなく、レンタルCDをMDにダビングしていたときのようなディスクのコストも掛からない。そして必要な曲を必要なときにウォークマンに転送して持ち出せば良い。

 まあ、こんな感じで非常に重宝しているコンポシステムであるが、使い方の面で問題がある。機械の操作性ではなく、使用する私の心理的な問題だ。MDにダビングするよりも管理が簡単で持ち出しの際の都合も良いので、どんどんここに曲を溜め込もうと思う。自前のCD分の作業が終われば次はレンタルCDとなる。半額キャンペーンなどの期間を狙ってまとめて作業する。HDDに次々に曲が溜まっていくことの満足感はあるが、どこかむなしい。

 それはダビングするのが精一杯で、目的化してしまい、その曲を聴くことがほとんどないからである。通勤時にはラジオを録音したものを聴いたり、同じくウォークマンで映画を見たりしている。そして、音楽ソースをほとんど聴くことがない。

 こうして私のHDDコンポはいつか急に聴きたくなる曲の溜まり場となってしまった。ここ数日はZARDを聴いてみた。まだまだHDDの容量は大量に残っている。

(秀)