(秀)

119/209ページ

第908話 ■進行

 雑誌媒体は年に数度の「進行」というのがある。例えば年末年始に出版社と印刷会社が休みを取るために、週刊誌などは合併号を出すことになる。ボリュームも増し、締め切りも早まったり、2号分の作業を同時並行で進めたりもする。この時期は「年末進行」とい […]

第907話 ■日本有線放送大賞

 まあ、どうでもいい話だ(と言ってもここで話を終わらせるわけにはいかない)が、今年も音楽賞番組の季節がやってきた。タイミングと言い、ネームバリューからして、やはりTBSの「日本レコード大賞」がもっとも権威あるものだという先入観があるが、高橋 […]

第906話 ■嗚呼、民主党

 民主党が低迷し、混迷している。鳩山前代表の新党構想からの辞任騒ぎに始まり、その脆弱さが一気に露呈してしまった。一緒に新党を作ろうとした一方の自由党の小沢党首の方は無傷のままなのに、鳩山氏は詰め腹を切らされる羽目に至った。そもそも党内に彼を […]

第905話 ■お見合い道場(5)

 さっきの番頭男の一人がある箱を持って現れた。おとぎ話の本で挿絵として見た、浦島太郎の玉手箱のような漆塗りのたいそう立派な箱だ。うやうやしく、その箱を番頭男は師範に差し出す。師範が箱に深々とお辞儀をしてからその蓋を開けると、中にはもう一つ桐 […]

第904話 ■お見合い道場(4)

 「はーい、ダメ、ダメ、ダメ。何回言えばわかるの?。小百合さん」。  「はい、師範。申し訳ございません」。  「あなたは今、自立した強い女なんですよ。それをなんですか、妙に男性に媚びようとしたり、頼りたいといった感じが見え見えじゃないですか […]

第903話 ■お見合い道場(3)

 これまでの見合い回数を聞かれたときには「10回ぐらい」と答えた。しかしそれは3年前までのこと。10回までは確かに数えていた。ところがその後は数えるのさえ面倒になってしまった。正式な見合いではなく、パーティ形式となると、ここのところ毎月のよ […]

第902話 ■お見合い道場(2)

 現れたのは思った通りの男だった。写真や釣書も事前に届いてはいるものの、そんなもの見るまでもない。だいたいここに現れる男性は決まったパターンが多い。先週来た男性は母親と一緒に来た。  もちろん男性ばかりではなく、女性も来るけど、ここに来る男 […]

第901話 ■お見合い道場(1)

 門の格子戸がガラガラと開く音がして、数秒後に今度は玄関の戸の滑る音がした。玄関から声がする。  「ごめんください、ごめんください」。  「はーい、ただいま」。  廊下の奥の方から澄んだ声とともに、和服を来た若い女性がいそいそと現れた。和服 […]

第900話 ■エピソード900

 今日で当コラムは900話目を迎えた。素人のコラムとしてはまずまずの所ではなかろうか?。最初はこんなに続くとは思ってもいなかったが、こうして今日も書いているし、明日も書いていることだろう。ここまで来たからには1000話までは続けることにしよ […]

第899話 ■名札

 我が家は目覚し時計も電波時計である。6時丁度に閃光を放ちながら、電子音を発する。決して気持ち良い音色ではないが、寸分の狂いもなく、鳴動してくれることが精神衛生上うれしい。少なくとも私には。その音で妻が目を覚まし、私はもうしばらく布団の中で […]

1 119 209